泡盛のはなし

古酒(クース)の魅力

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泡盛最大の魅力!古酒

古酒

泡盛の最大の魅力といってもいいのが「古酒(クース)」である。
泡盛は蒸留酒なので、年月を重ねるほど香気よくまろやかな味わいに熟成していきます。
その熟成期間が長ければ長いほど、より美味しくなっていく泡盛クース。

沖縄の宝「クース」

その昔、「金庫の鍵は預けても古酒蔵のカギだけは自分で管理する」と言われるぐらい、琉球王朝時代は泡盛のクースはとても貴重な品でした。
各家々で育てられたクースは、我が家を代表する酒として、お客様へ振舞われたと言います。
琉球王朝時代から続く沖縄の宝物。それが泡盛の古酒(クース)です。

琉球王朝時代は、100年を超える200年物・300年物の泡盛クースがたくさんあったと言われています。
しかし、先の大戦でそのほとんどが焼失してしまい、現存する最古の泡盛は約150年物の古酒がわずかに残っているぐらいです。
戦争で一度は失いかけた沖縄の古酒文化ですが、今また100年クースを造ろうと各酒造所が頑張ってクースを育てています。
まだまだ先は長いですが、平和な日が続けばきっと100年古酒が普通に飲める日がやってくると思います。
100年物、200年物と泡盛のクースが、時代を超えて後世の人達に受け継がれていく事を願いたいですね。

熟成するとなぜまろやかになる?

 それでは、なぜ古酒は年月を重ねれば重ねるほどまろやかになるのか。
それは泡盛を容器に入れて長期間寝かすことにより、まずガス臭さと呼ばれる荒々しい臭いが消え、さらに時間と共に泡盛が空気を吸いながら酒の香味成分を変化させ、刺激的な香味がなくなり芳香が増してきます。
味も長期熟成させることにより、アルコールと水が組み合わさっていき、新酒の時のピリピリした味わいが徐々にまるくまろやかな味わいへと変化していきます。
そういった変化により、熟成が長くなればなるほどまろやかで美味しい古酒へと変化していくのです。

 古酒への熟成は、原酒の質・度数・貯蔵容器などさまざまな要因によって変化が大きく変わります。

貯蔵するのに最適なのは、南蛮甕などの甕での貯蔵。 長年甕で寝かすことにより甕に含まれる成分が泡盛にも良い影響をあたえ、風味に重みのある琥珀色の古酒に変化していきます。
通常、販売されている瓶タイプの泡盛も、封をきちんと閉めそのまま寝かせると、熟成しまろやかな味わいへと変化していきます。しかし瓶詰めの場合は、泡盛が空気を吸えないため香味成分の変化はしにくくなるといわれています。

いろいろな熟成方法

最近は甕貯蔵や瓶貯蔵だけではなく、樽貯蔵(琥珀色やバニラ風味の泡盛になる)で造る古酒や、音楽を聞かせて造る古酒、鍾乳洞などに保存して造る古酒など、とさまざまな古酒造りが行われています。
製造過程でも古酒の成分などを調べ、より美味しく古酒に変化していくよう新しい酵母を開発するなど、古酒への熟成を目的とした泡盛造りも行われています。

度数も古酒づくりには重要な要因になります。
度数が低すぎると、長期熟成すると水っぽくなったりする場合もあります。
熟成させる場合は、より原酒に近い泡盛でなるべく度数は高めの泡盛が最適です。
最近では古酒作り用として泡盛原酒なども販売されているので、個人で古酒づくりを行う時などは泡盛原酒がオススメです。

自分だけのオリジナルの古酒を造ろう!

 近年では、古酒への認知度も高まり、また各蔵元から古酒づくり用の泡盛などが販売されるようになって、個人でも古酒を育てる人が増えてきました。
瓶貯蔵でも古酒にできるという事もあって、結婚の年や子供が生まれた年などに造られた泡盛を購入し、瓶のまま寝かせて子供と同じ年月を成長した泡盛を20歳になった時に一緒に乾杯するなど、将来の記念日に向けて古酒を育てる楽しみ。
また通の方では、自分で甕から用意し試行錯誤しながら自分だけのオリジナルの古酒づくりを行う楽しみなど、古酒づくりは将来に向けての楽しみでもありロマンでもあります。
味わう楽しみ、育てる楽しみ、いろいろな愉しみ方ができる沖縄の宝「クース」。
その世界をぜひご堪能ください。

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