泡盛のはなし

泡盛の魅力-泡盛とは

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沖縄の地酒「泡盛とは」

泡盛

国内最古の蒸留酒とも言われる沖縄の地酒「泡盛」。
琉球王朝時代から600年もの歴史をもつ蒸留酒です。

沖縄の泡盛の製造法が伝わったのは14世紀ごろだと言われています。
琉球王朝時代は、沖縄は貿易国として様々な国との交易をおこなっていました。
その貿易先の一つシャム(現在のタイ)から泡盛の造り方が伝わったと言われています。
15世紀頃の朝鮮王朝実録には「三年以上の酒が貯蔵されている」という記述があるので、すでにその頃には泡盛が製造され古酒として貯蔵されていたと思われます。

江戸時代には、徳川幕府へ泡盛を献上した記録も残っており、昔から泡盛は外交に欠かせない特産品として利用されていました。

泡盛不遇の時代

沖縄の酒として受け継がれ栄えてきた泡盛ですが、戦争や戦後のアメリカ統治時代などの混乱期には、不遇の時代を迎えることになります。

受け継がれてきた泡盛文化は、戦争時の空襲とともに徹底的に破壊されました。
戦後、泡盛造りが再開されましたが、当時の泡盛は臭いやクセが強く年寄りの酒というイメージが生まれてしまいました。

またアメリカ統治下では外国産のビールやウイスキー、ブランデーなどが安く出回っていたため、泡盛よりも洋酒をという人が増え泡盛は苦境に立たされた時期もありました。
泡盛壷 不遇の時代にも負けず、蔵元は試行錯誤しながら洋酒に負けない泡盛造りに励みました。

飲む人に合わせた泡盛造り

蔵元の努力が実り、低度数で飲みやすい泡盛や臭みを抑えた減圧蒸留の泡盛、樽酒など数々とヒット商品が生まれました。
また時代とともに、10年、20年、30年物のクースなども発売されるようになり、その古酒(クース)の味わいは、世界でも高い評価を受けるようになったのです
泡盛は沖縄県民の誇れる地酒として定着していきました。

近年では、酵母にこだわった泡盛、麹菌にこだわった泡盛など新しい技術を取り入れた多種多様の泡盛が造られるようになってきました。
奥深き泡盛の世界。

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泡盛の特徴

蒸留酒の泡盛は、「焼酎」に分類されさらに細かく分けると「焼酎乙類」の部類に入ります。
では泡盛の特徴とはなんでしょうか。
以下の点などが挙げられます。

・すべての仕込みを1回で行う「全麹仕込み」

・沖縄の温暖な気候に適した黒麹菌を使用

・酒にうまみとコクがでるタイ米を主に使用

・単式蒸留器による蒸留

クエン酸をたくさん作りだす「黒麹菌」は、沖縄の気候でも腐る事が少なく泡盛の風味や香りの一因ともなっています。

硬質で長い粒のタイ米(インディカ米)は、米の内部にまで菌糸を伸ばすことができるので、酒にコクと旨みを醸します。

またアルコールの収量が多い点もタイ米を使用する要因でもあります。
その原料のタイ米に、黒麹菌を混ぜ製麹し米麹を造ります。

できた米麹に水と酵母を加えてもろみにし発酵させます。(一次仕込)
焼酎などでは、さらに芋や麦などの原料を加え二次仕込を行いますが、沖縄の温暖な気候では二次仕込まで行うともろみが腐る場合があるので一次仕込のみですべてを行う方法が確立されました。

これを「全麹仕込み」といい、泡盛の大きな特徴でもあります。
できたもろみは蒸留器で蒸留されますが、この時使用される蒸留器が単式蒸留器というもの。
原料の風味をよりお酒に伝える蒸留方法です。

沖縄の温暖な気候にあうお酒として、創意工夫し製造されてきたのが沖縄の地酒「泡盛」なのです。

古酒の定義

2004年より新しい古酒表示基準が設けられました。
より厳しく古酒の内容を設定した自主基準。

2004年から2015年までの古酒の定義は下記のようになっています。

・「古酒」と表示できる条件
  3年以上の熟成古酒が51%以上の入っている場合に表示が可能。
  容器本体に混和割合も表示可能。

・「古酒年数表示」
  表示する年数の古酒が100%の場合に年数の表示が可能
  貯蔵年数が異なる古酒を混ぜた場合、最も若い年数を表示
  例)8年古酒と14年古酒をブレンドした場合、8年古酒と表示

 ・「混和酒」
  3年以上の熟成酒が50%以下の場合、「混和酒」または「ブレンド酒」として表示し、
  混和割合を明記しなければならない。

2015年からはさらに古酒の価値を高めようと古酒の記載は、100%古酒へと基準が厳格になりました。

2015年から新しくなった古酒基準

 ・「古酒の表示」
  古酒と表示する場合は、3年以上貯蔵した泡盛が
  100%はいっていないと古酒と表示ができなくなりました。
  2015年8月1日以降に瓶詰めの商品は古酒と記載のあるものは
  すべて100%古酒になります。

 ・「年数表示」
  5年古酒や10年古酒などの年数の表示がある泡盛葉、
  その年数以上の古酒が100%入っていないといけなくなりました。
  これでこの古酒は何年以上のものというのがわかりやすくなりましたね。
  
 ・「混和酒」
  古酒を10%以上ブレンドしている泡盛は、古酒の割合の表示が義務漬けとなりました。
  ブレンド酒の場合、古酒がどれくらい貼っているかわかりやすくていいですね。

2015年の表示改正は8月1日瓶詰め分の商品から適用されています。
なのでしばらくは旧表示と新表示が並行して販売されることになると思います。
瓶詰め日のチェックは要注意ですね。

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何年経過したかわかる詰口年月日

 現在の販売されている泡盛には、「詰口年月日」が記載されています。
 2004年の古酒表示改正と共に義務化されたのが詰口年月日。

 泡盛の特徴でもある古酒への熟成。 それは瓶詰の状態でも熟成していきます。
 「詰口年月日」が記載されたことにより。この泡盛は何年経過しているかわかるようになりました。
 店頭などで詰口年月日をみて、掘出し物古酒を見つけたりすることも!

 泡盛ファンにとっては嬉しい詰口年月日の記載ですが、泡盛をわからない人にとっては賞味期限と間違われる場合も・・

拡大してみたい方は>泡盛とは

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