【直火釜蒸留での泡盛造り】
泡盛の話、今回は直火蒸留について書いてみたいと思います。
八重山の泡盛のラベルには、よく「直火蒸留」や「直火釜蒸留」「地釜蒸留」などの文字が書かれています。
文字通り、蒸留の方法を説明しているのですが、一般の人では普通の泡盛となにが違うのか、意味が分からない人も多いと思います。
いろいろな蒸留方法
私も昔はその一人で、泡盛の事をあまりしらなかったころは、地釜蒸留などと書かれていてもナンノコトヤラで気にも留めてませんでした。
現在の泡盛造りでは、一般的に泡盛は横型蒸留器や縦型蒸留器などで蒸留されます。
横型蒸留器であれば、重みのある味わいの泡盛に、縦型蒸留器であれば、スッキリとした味わいの泡盛に仕上がります。
これが現在主流の蒸留法で、それに対し直火蒸留は、昔ながらの蒸留法となります。
直火蒸留
昔は、蒸留する前の「泡盛のもろみ」が入った釜に直接火をあてて蒸留をして泡盛を造っていました。
漢那蒸留所さんが昔の泡盛造りを再現して、現在でも使用している蒸留器がこれです。
このような直接釜に火をあてて蒸留している泡盛が「直火釜蒸留」の泡盛なんです。
八重山の酒造所は、この昔ながらの直火釜で泡盛を造りつづけている酒造所が多いのが特徴です。
現在、直火釜で泡盛造りを行っているのは、石垣島の全6酒造所、波照間酒造、与那国島の崎元酒造所などが直火釜蒸留での泡盛造りを行っております。
直火蒸留器は、縦型や横型蒸留器などと比べ、手間がかかります。
火の調整や、火の当たり所、さらに釜の底が焦げないように気を付けなければいけないなど、なにかと大変です。
では、なぜ直火釜で泡盛造りを行うか。
以前、訪れて話を聞いた蔵元では、直火蒸留の方が風味も良く古酒にしても美味しくなるからと話してくれました。
機械であれば、安定した品質を得られるが、直火釜では火の調整が大変なので職人の勘や腕・経験が重要になってくる。
手間暇がかかって大変だけど、他では味わえない個性がある泡盛が楽しめると思います。
八重山には、個性的な味わいをもつ泡盛が多いのはそのせいかもしれないですね。
八重山各酒造所の直火釜蒸留器を紹介
<仲間酒造の直火釜蒸留器>
<池原酒造の直火釜蒸留器>
<八重泉酒造の直火釜蒸留器>
<崎元酒造の直火釜蒸留器>
<高嶺酒造所の直火釜蒸留器>
<玉那覇酒造の直火釜蒸留器>
直火釜蒸留で造るこだわりの泡盛たち。
泡盛を飲むときは、この蒸留器たちで杜氏たちが手間暇かけて泡盛を造る様子も思い浮かべてほしいかな。